オンタリオ州の生産者
産地情報
オンタリオ州は、ブリティッシュコロンビア州と並び、カナダで最もワイン生産の盛んな州の一つです。 オンタリオのワイン産地は、フランスのブルゴーニュあたりや北イタリアの産地などと同程度の緯度に位置します。ブドウ育成期にあたる6月~9月は、平均気温で言うとブルゴーニュやボルドーなどよりも高くなり、特に夏は日中30℃半ばまで気温が上がります。日中は温暖でも夜には気温が下がり(日較差が大きい)、酸味やアルコール分、果実味のバランスの優れたワインが造られます。 ワインは概して冷涼地産ワインの特徴を持ち、香り高くまろやかなコクがあり、繊細で優雅な味わい。のびやかな酸味があり、食事と一緒に楽しむのにも適します。
- 緯度: 41°- 44°
- ブドウ作付面積: 17,000エーカー(6,900ヘクタール)
- ワイナリー数:185
- 特定栽培地域(DVAs: Designated Viticultural Areas):3
- ナイアガラ半島(サブ産地:10)
- プリンス・エドワード・カウンティ
- エリー湖北岸(サブ産地:1)
VQA
オンタリオ州には、ヨーロッパの産地にならって造られた「VQA (Vintners Quality Alliance)」という独自のワインの品質管理協定システムがあり、ワインの品質を保っています。オンタリオ州のVQAワインと認められるのは、オンタリオ産のブドウを100%使って造られるワインのみです。場所や土壌の特徴によって大きく3つの特定栽培地域(DVAs: Designated Viticultural Areas)に分かれ、一部サブ産地(サブアペラシオン)も設定されています。
サステナビリティ(環境の持続可能性)に配慮したワイン造り
カナダは、環境問題やサステナビリティへの取り組みで世界の最先端を行く国としても知られていますが、それはワイン造りにおいても同様です。オンタリオ州の多くのワイナリーにおいても、環境に配慮したワイン造りが実践されています。 バイオダイナミック(ビオデナミ)農法や有機栽培を実践したり、地熱や太陽光を活用したりする造り手も多く、LEED認証(環境に配慮した建物に与えられる認証システム)を受けた世界初のワイナリーもオンタリオにあります。
また、オンタリオ州ワイン審議会(Wine Council of Ontario)によって、自発的な自己監査プログラムが制定されています。ブドウ畑における水の使用や廃水、節電、殺虫剤の使用、近隣地域とのつながりまでに渡るワイン生産の全ての過程を対象として、環境に配慮したワイン造りを実践することが推奨されています。
オンタリオ州のワイン産地
オンタリオ州のワイン産地は、ナイアガラ半島、プリンスエドワード・カウンティー、エリー湖北岸の3つの特定栽培地域に分かれています。
- ナイアガラ半島 ― Niagara Peninsula
ナイアガラの滝で有名なナイアガラ地方は、カナダで最も主要なワイン産地の一つでもあります。産地はナイアガラ半島と呼ばれる一帯にあり、オンタリオ州のVQAワイナリーの約65%が位置します。 ブドウ畑はオンタリオ湖の南岸に面する平野部から傾斜地に広がり、東にナイアガラ川、南から西にウェルランド川を配する土地。石灰岩を基にした混合土壌のため多様なテロワールを持っており、様々な個性のある多品種のワインが造られます。
- プリンスエドワード・カウンティ(郡)「カウンティ」― Prince Edward County (PEC)
プリンスエドワード・カウンティー(地元では「カウンティ」と呼ばれます)は、オンタリオ湖東端の北岸に突き出た島のような土地で、オンタリオ州の産地で最も北に位置します。冬の寒さが厳しい環境ながら、ナイアガラよりさらに豊富な石灰岩の土壌が「まるでシャブリの生き別れの兄弟のようだ」と近年急速に注目を集めている地域で、2007年に正式にVQA産地に指定されました。主にシャルドネやピノノワール、スパークリングワインが造られています。
- エリー湖北岸 ― Lake Erie North Shore
エリー湖北岸のワイン産地は、弓状の海岸線に沿った地域で、北緯約42°に位置します。エリー湖は水深が浅いため早く温まり、またオンタリオで最も日照の恩恵を受ける産地でもあるため、よりフルボディのワインブドウの育成にも適した環境です。主に、メルローやシャルドネ、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨンが育成されます。
この地域には、エリー湖に浮かぶピーリー・アイランドも含まれます。ピーリー・アイランドは、エリー湖の南西の沖合、陸地から25 km程のところに浮かぶ小さな島。面積は約10000エーカー(約40.47k㎡で、東京の大田区や練馬区と同じ位)です。カナダの最南端に位置し、こちらも水深の浅いエリー湖の影響を受け、カナダで最も生育期間が長い産地でもあります。
ワイナリーリスト

サーティーンス ストリート ワイナリー
13thストリート・ワイナリーは、オンタリオ州ナイアガラ地方に位置。1998年の設立当時から品質重視のワイン造りを実践しており、数々の受賞ワインを生み出してきました。 醸造を担当するのは、フランス人のJPコラス氏。 13thストリートに移る前は、シャブリで最も由緒ある醸造元の1つ、ドメーヌ・ラロッシュで10年間ワインメーカーを務めていた実績の持ち主です。 ドメーヌ・ラロッシュ時代には、ワイ ...
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バチェルダー ワインズ
モントリオール出身で仏ブルゴーニュやボーヌで修行を積んだトーマス・バチェルダー氏が主宰する、シャルドネとピノノワール専門の醸造元。冷涼気候のシャルドネ・ピノノワール造りに傾倒しており、カナダ(ナイアガラ)だけでなく、米オレゴンや仏ブルゴーニュでもワイン造りを手掛けています。 バチェルダー氏はナイアガラを代表するワイナリーの一つル・クロ・ジョルダンヌ(Le Clos Jordanne)での栽培 ...
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ビッグヘッド ワインズ
ナイアガラ地方で急速に広がっているアマローネ風(アパッシメント法)ワイン造りの立役者で、国内のコンクールでも数々の受賞歴を誇るアンジェイ・リピンスキー氏。コラネリ(Colaneri)などナイアガラの複数の実力派ワイナリーの醸造責任者を勤める彼が、「自分の理想とする方法にこだわって造りたい」と個人的に立ち上げたプロジェクトが、この「ビッグヘッドワインズ」です。 醸造にはもちろんアパッシメント法 ...
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クロッソン チェース ヴィンヤーズ
クロッソン チェース ヴィンヤーズは、プリンスエドワード・カウンティ地方のワイン産業の黎明期から、先陣として産業を支援してきたワイナリー。1999年に生産を開始して以来、世界最高レベルのワインに匹敵するような品質重視のワイン造りを目指し、尽力しています。 南向きの30エーカーの畑は、石灰岩豊かな土壌。ブルゴーニュ品種のシャルドネやピノノワールを高密度に植樹し、ローイールドで栽培。フランス流の醸造 ...
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クリークサイド エステート ワイナリー
クリークサイドは、オンタリオ州ナイアガラ半島の小さな町、ジョーダンに位置する醸造元。1997年の創業当時から、ソーヴィニョンブランやシラーといったナイアガラの産地の主流からは外れた品種に将来性を見出し、これらの品種にフォーカスして成功を収めてきました。大胆なスタイルのワインで知られ、ソーヴィニヨンブランとセミヨンのブレンドや、国内外で数々の受賞歴を誇るブロークン プレスシラーでも、カルト的な人気を ...
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イーストデル ワインズ
イースト・デルのワインは、日常使いにふさわしく、かつ洗練されたワインを造ることを目指しています。ナイアガラVQAワイン業界の数少ない先駆者として、1999年に最初のヴィンテージをリリース。醸造は、地元出身のスコット・マグレガー氏とジェシカ・ウォレス氏が担当しています。

フラット ロック セラーズ
素晴らしいワインを造る。そして、フラットロックのワインを飲んでくださる方に、特別な経験をご提供する。そんな二つの思いを創業当時から大事にしている醸造元、フラットロック。ナイアガラの土壌と特徴ある気候という自然環境こそが素晴らしいワインを生み出すという思いから、環境に配慮したサステイナブルなワイン造りにこだわり、また、ナイアガラのテロワールをワインに最大限に表現するため、なるべく人の手を加えないワイ ...
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ヒドゥン ベンチ エステート ワイナリー
ヒドゥン ベンチは、ナイアガラのアペラシオン、ビームズヴィル・ベンチにある小規模ワイナリー。オーナーであるハラルド・ティール氏は2003年の創業以来一貫して、細部にまで妥協をしないワイン造りを実践してきました。ヒドゥンベンチのワインは、全て自社畑で手作業で造られます。サステイナブル農法を実践し、オーガニック認定を受けた自社畑産果実を100%使用し、ワイン造りをしています。 ヒドゥン ベンチは ...
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イニスキリン (ナイアガラ エステート)
イニスキリンは、1975年にドナルド・ジラルド氏とカール・カイザー氏が創業した醸造元。カナダ初のエステート・ワイナリー(栽培から醸造まで一貫製造する醸造元)であり、今や世界中で数々の受賞実績を誇る、カナダで最も有名なワイナリーの一つとして知られています。創業の地オンタリオ州のナイアガラ・オン・ザ・レイクに加え、ブリティッシュコロンビア州オカナガンにも拠点を構えています。 イニスキリンといえば ...
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ジャクソン=トリッグス (ナイアガラ エステート)
ジャクソン=トリッグスは、友人同士であるドン・トリッグス氏とアラン・ジャクソン氏が、ワイン造りへのたゆまない情熱を胸に、1993年に創業。 初ヴィンテージから変わらず、急成長するカナダのワイン産地のポテンシャルを、余すところなく体現するワインをリリースしています。 ジャクソン=トリッグスは、オンタリオ州のナイアガラ・オン・ザ・レイクと、西海岸ブリティッシュコロンビア州のオカナガン渓谷の2か所 ...
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レイクヴュー ワイン カンパニー
レイクヴュー・セラーズは、カナダ随一のブドウ産地であるオンタリオ州ナイアガラ半島に位置する醸造元。 当時アマチュア醸造家だったエディ・グリンスカス氏と妻ロレイン氏が、1986年にブドウ栽培を開始。1991年に小規模なワイナリーを開設し、本格的にワイン醸造を開始。ナイアガラ地方のワイン醸造のパイオニアの1つとして知られており、エディ氏がオンタリオ州最優秀ワインメーカーを受賞するなど、高い醸造技術で定 ...
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ル クロ ジョルダンヌ
ル クロ ジョルダンヌは、カナダ企業とフランス企業の共同プロジェクトとして発足したのがはじまり。加ヴィンコア(Vincor)社と仏ブルゴーニュのファミーユ ボワセ(Famille Boisset)社が協働して、ナイアガラ地方に本格的な「ドメーヌ」(ブドウ栽培からワイン醸造まで一貫で行う醸造元)を立ち上げ、ナイアガラのジョーダン・ベンチ(Jordan Bench)という銘醸地のユニークなテロワールを ...
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ノーマンハーディ ワイナリー&ヴィンヤード
“プリンスエドワード・カウンティの天才ワインメーカー”とも呼ばれる、ノーマン・ハーディ氏が経営するワイナリー。特に評価の高いシャルドネやピノノワールをはじめ、上質なカベルネフラン、ピノグリ、リースリング等を造ることで知られています。 近年、国際的にますます注目を集めており、特に「カウンティ・シャルドネ」(プリンスエドワード・カウンティ産シャルドネ)の2008年ヴィンテ ...
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ポンドヴュー エステート ワイナリー
祖父と父の二代に渡りイタリア・シシリアのブドウ農家だったというプグリシ(Puglisi)家の、三代目の兄弟ルー(Lou)氏とアドリアナ(Adriana)氏が経営する醸造元。 ワイナリーとしての開業自体は新しいものの、ブドウ農家としては1974年に創業。 フォーマイルクリークという、ナイアガラ地方でも最も温暖なアペラシオンに位置しています。 ワインには自社畑で栽培されたブドウのみを使用。 栽培品種は ...
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クイーンストン マイル ヴィンヤード
クイーンストン・マイルは、セント・デイヴィッズ・ベンチに位置するブティックワイナリー。少量生産のスパークリングワイン、ピノノワール、シャルドネに特化したプレミアム・ワインの醸造元として高く評価されています。 創業は2018年と、この地域では新しいワイナリーの一つですが、過去数々の受賞歴を誇る畑を所有しています。醸造は、この地で20年間のワイン醸造経験を有する精鋭チームが担当。畑は氷河がナイア ...
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レッドストーン ワイナリー
「レッドストーン ワイナリー(Redstone Winery)」は、2015年5月にオープンした、トーズ ワイナリー(Tawse Winery)の姉妹ワイナリー。トーズ ワイナリーのオーナーで、ブルゴーニュでも2つの醸造元を所有するモレー・トーズ(Moray Tawse)氏が、ナイアガラのリンカーンレイクショアにあるトーズとは異なるテロワールに目をつけ、2009年に38エーカーのブドウ畑を取得した ...
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ローズウッド エステーツ ワイナリー
ローズウッド・エステーツ・ワイナリーは、カナダ・オンタリオ州ナイアガラに位置する家族経営の醸造元。ワインと自家製ハチミツを使ったミード(ハチミツ酒)の造り手として知られ、養蜂やミード醸造に関しては、約90年の歴史を有しています。 一家の長年の夢だったというワイナリーは、8年の準備期間を経て開業し、2008年に初ヴィンテージをリリース。養蜂はもちろんブドウ栽培も環境に配慮したサステイナブル農法 ...
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サウスブルック ヴィンヤーズ
サウスブルックは、ビル・レデルマイヤー氏が創業したワイナリー。ワインと故郷の地、地元産のあらゆるものをこよなく愛するビル氏は、ナイアガラ半島の150エーカーの土地に拠点を構え、オーガニック農法・ビオディナミ農法でワインを醸造しています。 2005年にナイアガラ・オン・ザ・レイクに最初の畑を購入して以来、一貫してサステイナブル栽培に注力しており、2008年には、畑と醸造施設のオーガニック認証と ...
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ストラタス ヴィンヤーズ
ストラタス ヴィンヤーズ(Stratus Vineyards)は、カナダ・オンタリオ州ナイアガラ地方のワイン産地の中心、ナイアガラ・オン・ザ・レイクに位置。サステイナブルな醸造施設を備え、世界で初めてLEED(グリーンビルディング)認証を受けたワイナリーで、また除草剤フリーでブドウを栽培、ふんだんに人手をかけたハイクオリティワインを生み出すことで知られています。 ワインメーカーのグロー氏は、 ...
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フォーリン アフェア ワイナリー
オンタリオ州ナイアガラ地方に位置する、クリスピーノ一家が創業したワイナリー。「フォーリンアフェア(外交)」の名は、元外交官であるクリスピーノ氏の経歴に由来します。駐在先のイタリアで現地の食文化、とりわけ北イタリアの伝統ワイン「アマローネ・スタイル(アパッシメント法)」のワインの魅力の虜になり、カナダに持ち帰り発展させたいという思いが高じて、ワイナリーを開業。このイタリア伝統の手法を北米で初めて実践 ...
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